【第15話】憧れと現実と、その矛盾

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  「どうして秘密、なんですか?」 「んー、お楽しみ、の方がいいのかな、と思って」 「そういうもの、ですか……?」 首を捻った私に、神谷さんはまた浅く笑った。 どうやら教えてくれる気はないらしい。 行き先は、決まってるんだよね。 なのに言わない理由は『お楽しみ』だから、かあ……。 どこに行くんだろう。 私は道にも詳しくないから、方向で目星をつけるなんてこともできない。 土地勘がある場所を離れたら、もうお手上げだ。 いくつか考えてみて、でもどれも答えとして正解なのかわからなくて、私は考えるのを諦めた。 .
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