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次の日
私はバイトが終わると、店長に話をした。
「店長、お話良いですか?」
「…何その、ニヤニヤして」
私は自然と頬が緩んでいたらしい。
「えー、えへへ…あのね、最近ずっと具合悪かったの、つわりだったの」
「ぶっ…!何だそれ!」
店長は思わず吹き出して、大笑いしていた。
「マジかよ…ああ、でもおめでたいね」
吸っていたタバコを消しながら言った。
「まさか城内に先を越されるとはな…親戚の叔父さんの気分」
30才で未婚、彼女もいない店長は肩を落とした。
「初めてバイトに来た時は学生だったのに…あっという間に成人して、もう結婚か…」
何だか遠い目をしてるから、放っておいて先に行こう。
「それで、お腹大きくなると大変だから、忙しいお正月が終わったら、バイトも終わりにしようと思ってて…」
「はいはい、分かったよ」
「ありがとうございます!それじゃあ、お先に失礼します」
私はルンルン気分でスキップしていた。
「あ、ねぇねぇ、あのねー」
私はそのあとも、色んな人に言いふらしていた。
明日は誰に話そうか、楽しみになっちゃうな…。
認めてもらえただけで、こんなに違うんだ…。
私はそれからは、精神的な不安が無くなったからか、体調もかなり良くなっていった。
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