江戸編

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そう子供達がいじめていたのは、 普通の海亀にはございません。 玄武でございま~す。 四聖獣の一柱たる玄武は、 手足や頭を縮めて甲羅に篭っておりましたが、 それでもガメラか黒山の様に大きく、 米つぶの様に小さく見える子供達は、 下から石を投げたり、 棒で突いたりしながら激しく罵倒しておりました。 これを見て浦島太郎はまた怒りを現わにしました。 「やめねえかおめえ達! 玄武様はおら達を守ってくれる、 ありがた~い神様でねえか! 罰当たりの恩知らずめが!」 「だってこいつが焼き落とした、 姑獲鳥(うぶめ)が落ちておらの畑が焼けただ!」 「おらなんて家が焼けただ!」
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