竜宮編

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乙姫が手を叩くと可愛いらしいバンドウイルカが現れました。 乙姫が出した超音波で殆どの家来は動けませんが、 イルカやクジラは自分達も超音波を出す為か耐性がありました。 「キュイキュイ!お呼びですかキュ~?」 「この者と玉手箱を江戸に帰せ」 「畏まりましたキュ~」 「おぉ癒されるだ」 バンドウイルカの可愛いらしい姿と人なつっこい態度に、 浦島太郎は安心感を覚えました。 「あらよっと!ほら行くだキュ~」 バンドウイルカは浦島太郎と玉手箱を軽々と背中に乗せました。 どうやら人間の力では無理でも人外には大丈夫な様でした。 「キュキュ~」 「おお適度に柔らかくて良い乗り心地だ! 玄武みたいに途中で忘れないし、 鮫みたいに喰わないから快適だ! 最初からお前を助けて竜宮城来たかっただ」 「でも浦島様、江戸に返ったらびっくりしますキュ」 「ハハハ何を言うだ、竜宮城より驚く場所なんてある訳ねえ。 まして江戸はおらが故郷のド田舎でねえか」
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