江戸編

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「いてぇ!やめねえかガキども! 釣って来た鰯やるからとっととけえれ」 「嫌だ要るか!」 「おっとおもおめえの鰯は買いたくないと言ってただ!」 「え~い仕方ねえ!鰯売ったなけなしの銭やるだ」 「ちぇ!これっぽっちかよ!」 「まあ飴さ買えるし許してやるだ!」 そう言いながら僅かばかりの銭を受け取り、 子供達は帰って行きました。 「いててぇ~なんとか玄武様を助けれただ」 子供達をなんとか追い払えて一安心していると、 玄武が甲羅から手足や頭をにょきにょき出して立ち上がり、 浦島太郎の方を向きました。 「玄武様、もう安心して下せえ。 罰当たりなガキどもはおらが追い払いましただ」 巨大な玄武は小さな浦島太郎を見下ろし、 鋭く長い牙二本が並んだ大口を開きました。 「おめぇなんて事しやがるんだ? 俺のお楽しみタイムを邪魔しやがって」
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