【第16話】いつもの、夜?

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  「ただいま……」 ドアを開いて、反射的に出た言葉に、長瀬が後ろから「おかえりー」と答えた。 それが妙に鼻について、引きつった顔で振り返る。 「……ここはアンタの家なわけ?」 私の苦々しい顔を見ているくせに、長瀬は涼しい表情だ。 悪びれもせず、靴を脱ぎながら言う。 「ん? まーそのうちそーなるんじゃねーの?」 「なるわけないでしょ、馬鹿」 ぴしゃり、言い捨てた私に長瀬は笑う。 「冷てーな、羽村は」 ケラケラ笑う長瀬に、ダメージを受けた様子は見られない。 駄目だ、マトモに相手にしていたら、血管切れそう。 私は玄関に長瀬を置き去りにしたまま、部屋へと進んだ。 .
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