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「…! ……あぁ……」
自然と、それを救うように持ち上げる。
――――綺麗だった。
そして、何とも言えない懐かしさを感じる。
懐かしさ……そう懐かしさだった。
過去の無い私に初めて、過去との接点が見つかった。
懐かしさがあるだけで今は満足だった。
これがどこで、どうやって手に入れたか、
そして、私にとってはどんな意味があるかは、今はいい。
「………っ、」
自然と、顔がほころんだ。
ぎゅ、と力強くそれを抱いた。
それほど大きくは無い、そしてとてもきれいな金属の羽根。
私の……私のペンダントを……
「んっ……っ!?!」
突然だった。
頭痛……頭に、脳に直接、何かが刺さっているような、それでいて圧迫されるような……
「うぅ…ぐ、ぐ、が……い、痛い……!」
視界が、ぼやける。冷や汗が流れてくるのを感じたと思った瞬間には、意識がどこかへと吹き飛ばされそうになる。
「あ……あぁ……ああ…!!」
***
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