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「(何なんだよ、ったく…)」
受け取った赤紙。一体どんなことが書いてあるんだ?と思い、俺は恐る恐る開いてみる。
そして、目に入った三四文字。
―――――――――
-召集状-
貴方は87番目の勇者に選ばれた。
本日の午後、城へと参られたし。
―――――――――
「………。」
俺は次の瞬間、頭を抱えた。
「ユーちゃん、どうかしたの?」
「ど、どうして頭を抱えてるんだユーちゃん!?その紙に何が書かれていたんだい!?」
…ちょっと、取り敢えず俺に整理させる時間をくれるとアリガタイデスネーコレハ。
え、うん。え?ちょっと待ってね。
文章の最後にある王だということを証明する判子が押されてるから、多分これはイタズラでも何でも無いわけですよね……。
で、何?勇者?誰が?何処のどいつが?え、あ、俺が?いやーないってそれはー。だって俺に勇者的なスキルひとつも備わってないし。俺、田舎に住んでる平凡な村人Aだし。うんうん、どう考えたってないわー。
しかも何だよ87番目?つまりは少なくとも俺以外に86人も勇者が居るわけだよな。え、勇者ってそんな居て良いもんなの?伝説ってそんな誰にでもなれるもんなの?っていうか俺は今後勇者になるっていうよりも魔法使いに……って何言わせるんだ馬鹿。落ち着けよユノ・クロフト。
「『召集状…貴方は87番目の勇者に選ばれた。本日の午後、城へと参られたし。』………だってぇ?」
「うおぉっ!?」
俺が赤紙を持ったまま立ち尽くしていると、いつの間にか階段で待機していたはずの妹が俺の背後にやって来ていて、あろうことかその内容を朗読しやがった。
「ちょ、リノ!!」
「何それ…兄貴、勇者になるの?勇者っていうか魔法使いになるんじゃ……」
「そんなところを兄妹みたいにシンクロさせなくて良いから!!いや、つか今のどういうことだテメェ!?お兄ちゃんの純情は本当に愛した人用に取ってんだバカ
にすんな!!」
「あー…イモい童●ほどそういう言い訳するよね。」
よろしいならば戦争だ!!!
世のおれらやおまいらをナメんじゃねーぞ愚妹がぁぁぁっ!!!!
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