目は口ほどにものを言う

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「空也さん…助けてほしいのは山々なんだけど、これ、もしかしたら時限かもしれない…。だから…君だけでも…」  もともと瀬矢先生の忠告を聞かずに、のうのうと敵に捕まったのは僕の失態だ。 だからといって死んでもいいというわけでもなかったが、そのせいで彼女、空也さんまでも巻き添えにはできない。 被害は2より1の方がいいに決まっている。 理事長が僕を足手まといと言ったのは正しかった。 魔女なんてほいほいとなるものではなかったのだ。 心の中で瀬矢先生に恨みごとが浮かんだが、それはすぐに消えた。 「空也さん……?」  彼女の先ほどまでの怒りはどこかに消え失せている。 彼女はいつの間にかマスクをつけなおし、僕の傍まで近づいてきていた。 そのまま彼女は僕の目をじっと見たかと思うと、僕をゴーレムの腕ごとぎゅっと抱きしめた。 ゴーレムがつけていたワイヤーがはずれ、閃光が起きる。 僕は彼女が一瞬見せた、慈愛ともいえる目が頭から離れず手榴弾の爆発など気にもしなかった。  僕は彼女のぬくもりを感じつつ、またも暗闇をさまようことになった…。
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