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「うぇぇ、眠たい…」
翌朝、口に手を当てて大きな欠伸を出す。瞼を何度も擦りながら。
「楽しみだわぁ。公共の場で堂々とコスプレ出来るなんて素晴らしいわね」
「今年も荷物たくさんあるね。ロッカーに預けるの?」
「そうよ~。悪いけどまた財布やケータイ持っててくれない?」
「へいへい」
キャリーバッグを引いている相方の隣をのんびりと歩行。朝は関節技をかけて起こされたので体中の節々が痛かった。
「香織には声かけないの? 連れて行ったら喜ぶと思うんだけど」
「う~ん、一緒に行きたい気もするけど…」
「けど?」
「雅人と2人で行きたかったから」
「……あ、そう」
あえて声をかけなかったらしい。せっかく共有出来る趣味なんだからもったいない気もした。
「もしかしたら向こうの会場で鉢合わせしたりして」
「うっ…」
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