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「颯太も来るかな。去年みたいに出くわすかもしれないね」
「ね、ねぇ。何とかなんない? アイツどうにかして会場に来ないように操作出来ないの?」
「はぁ?」
隣から服の袖をグイグイと引っ張られる。意味不明な頼み事と共に。
「操作ってどうやってさ?」
「だからメールか電話でどこか別の場所に誘導とか…」
「会場に来ないでくれって? 不自然すぎるよ」
「……それもそうか」
どこか別の場所に呼び出せば会場へ来ないようにする事は可能だ。しかし自分は行けないから待ちぼうけさせてしまうだけになる。
そもそも彼はそこまで嫌がらせされるほど悪い行いはしていない。会いたくないなら遭遇しないように祈るしかないだろう。
「人、多いなぁ…」
電車に乗って去年と同じ会場へとやって来る。1年前の記憶を辿るように並んで歩いた。
「じゃあ着替えて来るからここで待ってて」
「うい~」
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