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「欲しい? 欲しい? あげな~い」
そして彼女達に負けないぐらい隣の妹もハイテンション。自宅でもあまり見せない上機嫌っぷりだった。
「へへ、へ…」
恐らく前々から自分達の関係について話していたのだろう。自慢目的で。
生き別れの双子なんて恰好の妄想ネタでしかない。晒し者のような立場に不満はあったが必死で愛想笑いを浮かべた。
「私の彼氏、可愛いでしょ」
「は!?」
「今日もね、私を1人で行かせるのが心配だからって付いて来てくれたの。やっさしいでしょ~」
「え、え…」
しかし隣から聞こえてきた言葉に耳を疑う。あまりにも内容が突飛すぎて。
「今朝も手を繋いでここまで来たんだよ。やぁだっ、恥ずかしい!」
周りの情報が一気にシャットダウン。お友達の声も騒がしい雑音さえも。
結局、彼女達とお喋りを続いている間中ずっとただの玩具扱い。頭の中は茫然自失だった。
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