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「いいからこっち!」
「ちょっ……そんなに強く引っ張らないで」
そして再び2人きりの状況に戻ると相方を手を引く。隔離された狭い空間へと移動する為に。
「何よ何よ、人気のない場所に連れて来たりして。もしかして私の激しい衣装に欲情しちゃった?」
「さっきのどういう事!?」
「さっきのって皆に紹介したアレ?」
「そうだよっ! あの子達に彼氏だって言ったの!?」
「え? ダメだった?」
「はぁ…」
問い詰めに対して彼女が平然とした様子を見せてきた。どうやら事態を把握していないらしい。
「ダメに決まってるし。もし他の人にもバレたらどうするのさ!」
「大丈夫だって、あの子達とはネットでしかやり取りしてないから。リアル知り合いとは繋がってないもん」
「いや、そういう問題じゃなくてだね…」
この関係は2人だけの秘密で留めておかなくてはならない。うっかり誰かにバラした事がキッカケで全ての情報が漏れる危険性も孕んでいるので。
「そんなに神経質にならなくてもいいじゃん。平気だってば」
「ネットに晒すって事は、いつ誰が目にしてもおかしくないんだよ? 万が一知り合いに見つかったらヤバいじゃないか」
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