1.白昼夢と自己顕示欲

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「ちなみに何人ぐらいの人に話したの?」 「え~と、70人か80人ぐらい」 「ひえぇっ!?」 「私、結構人気なんだよね~。フォローしてくれてる人が数千人レベルでいるし」 「もう本当に勘弁して…」  予想を遥かに超える人数にたまげる。せいぜい数人程度と覚悟していたのに。自分の知らない所でそんな大勢の人達とコミュニケーションをとっていたなんて。  きっと彼女は分かっていない。その軽々しい覚悟がいつか自分達を破滅へと導く事を。半端な気持ちで上手くいくなら家族を好きになる事に躊躇いはしなかった。 「はぁ…」  まさかこんな近くに爆弾を抱えていたなんて。幸せになるかと思っていた恋人生活の始まりは人生の転落。つまり修羅場へのスタートだった。
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