1635人が本棚に入れています
本棚に追加
「つっかれたぁ…」
1日の労働を終えると薄暗い道を歩く。のんびりとした足取りで。
「ん?」
眩しく感じる西日に意識を奪われている最中、異変を察知。自宅付近の道路で今朝と同じ女の子を見つけた。
「あ、こんばんは」
「……こ、こんばんは」
「お出かけですか?」
「まぁ、そんな感じ」
外出時とまったく同じやり取りを交わす。デジャヴに近い物を感じながら。
「む…」
いくら子供とはいえ多少なりとも緊張感は存在。それに家族の人達に不審者扱いされても困るので素早くその場から立ち去った。
「アリの観察でもしてるのかな…」
こうして彼女が1人で過ごしているのを見かけるのは今日が初めてではない。外出時は結構な確率で遭遇。
誰かと遊んでいる訳でもないし、かといって具体的に何かをしている素振りさえ見せない。行動の全てが謎だった。
最初のコメントを投稿しよう!