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「し、死ぬ…」
平日の昼間、いつものようにバイトを終えて帰宅する。珍しくランチ後にあがらせてもらう優遇っぷり。だが容赦なく降り注ぐ日差しのせいで足元がフラついていた。
「……いないか」
待ち人の有無を確認する。いつの間にいるかいないかの賭けを心の中でするようになっていたので。
「こんにちは」
「どうも…」
しかし今日はターゲットは道路ではなく別の場所に存在。玄関先の日陰で静かに佇んでいた。
「お帰りなさい。どこかに出掛けてたんですか?」
「え~と、バイトが終わって帰って来たとこ」
「そうなんですか。お疲れ様です」
「ありがと…」
立ち止まっていると女の子が小走りで近付いて来る。労いの言葉を口にしながら。
「あ、あの…」
「ん?」
動揺している事を悟られないよう退散を決意。その直後に再び声をかけられた。
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