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「ダメですか?」
「そ、それは…」
顎に手を当てて思考をフル回転させる。ジュース代ぐらい与えるべきか考えていると女の子が下から何かを訴えかける眼差しを向けてきた。
「……良いよ。うちに行こう」
「本当ですか!?」
「ここにいたら暑いからね。家の中なら冷房が効いてて涼しいし」
「ありがとうございます。嬉しい!」
さすがにこの猛暑の中で子供を1人きりで放置する訳にはいかない。覚悟を決めて道路を歩き出した。
「ただいまぁ」
鍵を差し込むと玄関の扉を開ける。奥にまで聞こえる声で挨拶をしたが返事が返ってこなかった。
「げっ……誰もいない」
運悪く全員が外出中と判明。靴箱から主な履き物が消えていた。
「入って」
「お、お邪魔します」
とはいえ今更お客さんを追い返す訳にはもいかず。中へ入るよう促すと2人でリビングに移動した。
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