2.天使と悪魔

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「雅人くんも一緒にテレビ見ようよ」 「え? あ、うん……ていうかどうして名前知ってるの!?」 「ん? だっていつも一緒にいる人が呼んでるじゃない。雅人~って」 「……あぁ、華恋か」 「あれ? もしかして違った?」 「いや、合ってるよ。よく覚えてたね」  そしてリビングに戻って来た後は衣類をカゴの中へ。続けて女の子と会話を始めた。  もしかしたら自宅での会話が漏れていたのかもしれない。夏場は窓を開きっぱなしの時もあるし、華恋は声が大きいから。 「ねぇねぇ、雅人くんは私の名前知ってる?」 「いや、分からないよ」 「知りたい? 知りたい?」 「まぁ…」  ソファに腰掛けて親しくもない児童と交流を図る。年齢が離れているので親戚の子供と戯れる気分で。 「すみれっていうの。可愛いでしょ」 「すみれ……花の名前の?」 「そうじゃないかな。どんな花かは知らないけど」
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