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「雅人くんも一緒にテレビ見ようよ」
「え? あ、うん……ていうかどうして名前知ってるの!?」
「ん? だっていつも一緒にいる人が呼んでるじゃない。雅人~って」
「……あぁ、華恋か」
「あれ? もしかして違った?」
「いや、合ってるよ。よく覚えてたね」
そしてリビングに戻って来た後は衣類をカゴの中へ。続けて女の子と会話を始めた。
もしかしたら自宅での会話が漏れていたのかもしれない。夏場は窓を開きっぱなしの時もあるし、華恋は声が大きいから。
「ねぇねぇ、雅人くんは私の名前知ってる?」
「いや、分からないよ」
「知りたい? 知りたい?」
「まぁ…」
ソファに腰掛けて親しくもない児童と交流を図る。年齢が離れているので親戚の子供と戯れる気分で。
「すみれっていうの。可愛いでしょ」
「すみれ……花の名前の?」
「そうじゃないかな。どんな花かは知らないけど」
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