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「結構難しい字だった気がする…」
「私の名前は漢字じゃないよ。平仮名ですみれ」
「あ、そうなんだ」
言葉を重ねる毎に彼女の口調が馴れ馴れしい物に変化。少々の戸惑いはあったが、見知らぬ人間に挨拶する性格を考えたら納得出来た。
「キャハハハハ!」
「面白い?」
「うん。面白いよ~」
その後は2人でゲームをやる事に。いい時間潰しになると判断して。
ただ途中からは彼女が1人でプレイ。バイト後の疲労が原因で早々にギブアップ宣言を出していた。
「……すみれちゃんの家族は何時頃に帰って来るかな」
「ん~、分かんないです」
「お父さん達よりお姉ちゃんの方が早い? 何時ぐらいに帰って来るか分かる?」
「いつも夜遅くなってから帰って来ます。お姉ちゃん、スポーツの部活やってるから」
「あっちゃあ…」
だとしたら家族が帰って来るのは早くても日が沈んでからになる。それまでこの子を家で預かっておかなくてはならないらしい。
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