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「遅いなぁ。母さん達…」
ソファから首だけ出して廊下を凝視。彼女の家族は帰って来なくても自分の家族は帰って来るかもしれない。だが期待している助っ人が誰も現れてはくれなかった。
「ねぇ、雅人くんはやらないの? ゲーム」
「え? あぁ、良いよ。お兄ちゃんはいつもやってるし」
「ん~、でも飽きてきちゃった……です」
「マジですか…」
予想よりかなり早い。まだ1時間はこれで粘れると思っていたのに。
辺りを見回してみたが暇潰し出来そうなアイテムは皆無。チャンネルも変えてみたがサスペンスドラマと通販番組しか放送していなかった。
「なら漫画でも読む? 上の部屋に行けばあるけど」
「ありがとうございます。私、漫画大好きなんです」
「へぇ、そうなんだ」
ゲームの電源を落とすとリビングを出る。廊下を歩き階段へと移動した。
「あのさ、少年漫画と少女漫画ならどっちが良い?」
「少女漫画です。男の子向けのは読んだ事ありません」
「だよねぇ…」
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