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以前住んでいた街はここからあまり離れていないらしい。話を聞くと車で30分も走れば辿り着ける場所だった。
「お姉ちゃんは学校そのままだけど私は転校しないといけなかったんですよ」
「そうなんだ。義務教育はその地域の学校に通わないといけないからね。私立でも通ってない限り」
「あと半年で卒業だったのに。どうしてこのタイミングで引っ越すかな…」
「ほう。なら今は6年生なんだ?」
「そうそう」
いつの間にか互いに手を止めて会話に没頭する。愚痴を交えた発言の応酬へと。
「お父さんもお母さんも私やお姉ちゃんにはいろいろ言うクセに、自分達は何も守らないんだよ」
「いろいろ言うのは子供の事が心配だからさ。理不尽に感じる事は多々あるけども」
「好き嫌いするなって言うクセに、お店で出された料理が美味しくないと残すし。どう思う?」
「あはは、それは勝手だね」
「お姉ちゃんも最近はカレーばっかで手抜きの連続。本当にみんな自分勝手なんだから」
「カレーは美味しいからそれは別に良いんじゃないかな、うん」
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