2.天使と悪魔

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 しっかりしてそうな子とはいえ不満はたくさん存在。鬱憤が相当溜まっていたのが怒りを含んだ口調で分かった。 「ねぇ、プロレスごっこやろ」 「へ? 何で?」 「いいから、ほら!」 「ちょっ……イデデデデデッ!?」  突然立ち上がった対話相手に腕を絡め取られる。そのまま背後に回られた事で肘や肩にダメージが発生した。 「ギャハハハハハ!」 「痛いからそろそろ離して!」 「ギブ? ギブ?」 「ギブアップでお願いします!」  即席の試合は開始から僅か数秒で決着する事に。降参の意思を示す形で手をブンブンと振った。 「雅人くん、弱すぎ~」 「いきなりやられたら誰だって反応出来ないって」 「じゃあ次は私が技をかけられる番ね」 「え? まだやるの?」 「当然。さぁ来い!」  目の前にいる人物は妙に滾っている。空腹感を吹き飛ばしそうな勢いで。
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