2.天使と悪魔

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「え? 何、アナタ。この人に無理やり連れて来られたの?」 「うん。外で遊んでたら『お兄ちゃんちに来ない?』って声をかけられて」 「アナタ、お隣の子よね。大丈夫だった?」 「こ、怖かった。変な事されるの嫌だった……グスッ」 「……そっか。嫌な思いさせちゃってゴメンね。もう平気だから」  彼女が先程までと打って変わって泣きそうな顔を浮かべている。ワザとらしく目を擦りながら。 「違うって。何を言ってるのさ…」  意味が分からない。頼まれた遊びに付き合ってあげただけなのに。パニックに陥っている間にも2人は至近距離で会話を進めていた。 「お家帰れる? 1人で大丈夫?」 「うん、平気。お姉ちゃんが助けに来てくれたから助かったよ」 「そう。なら早く玄関から逃げて良いわよ。後はお姉ちゃんが何とかしておくから」 「本当に? ありがとう!」 「いやいや…」  小さな体が隣の部屋の奥へと消えていく。この場から逃走する為に。
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