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彼女は去り際にワンアクションを追加。重ね合わせた両手をこちらに向かって掲げてきた。
「……このクズ男がぁ」
「うぇえ…」
追いかけようとしたが出来ない。目の前にいる人物が思い切り襖を閉めたせいで。
「……そこに正座しろや」
「へ?」
「正座。早くしろ」
「き、聞いてくれ。さっきあの子が言ってた話は…」
「正座しろっつってんだよ! 聞こえねぇのか、うらあぁぁああぁぁあぁっ!!!」
「は、はいぃっ!? スミマセンでしたっ!」
緊迫した状況を打破する為に説明を試みる。しかし途中で中断。蹴られた椅子の音と罵声に怯み、思わず指示に従ってしまった。
「信じてたのに。アンタは犯罪に走るような汚い人間じゃないって信じてたのに…」
「いや、だから…」
「私の事を裏切らないって……もう絶対に他の女の方を向く事なんか無いって思ってたのに」
「あの…」
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