3.条件と宣戦布告

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「……いちちち」  バイト中の暇な時間帯、ヒリヒリする肌を左手で擦る。赤く腫れ上がった頬には絆創膏が貼られていた。  昨夜は華恋に暴力を振るわれすぎて散々な目に。香織や母さん達には笑われ、風呂に入ったら痛みに悲鳴をあげ、夜は恐怖とダメージで眠れなかった。 「どうしたんですか。神妙な顔をして?」 「いや、その……色々あって」 「もしかしてまた妹さんに暴力を振るわれたとか?」 「な、何で分かったの!?」  立ち尽くしていると片付けを済ませた同僚が話しかけてくる。面倒くさがり屋ではなく要領が良い方の後輩が。 「はぁ……やっぱり」 「君の中でいつの間にかうちの妹は狂暴キャラが定着していたのね」 「そりゃそうですよ。あんな豪快な性格の人、私の周りにいませんから」 「この前も腕相撲やったら負けちゃってさぁ。強い強い」 「あ、なら今度私とも勝負してみますか?」 「ん? 別に構わないけど」
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