第1話

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俺は不敵な笑みでこたえる。 「いいですよ」 ポケットから財布を取り出し、小銭入れをあける。 「おいおい小銭なんか俺たちはいらねえんだ…よ?」 プリン頭が言い切る前に、俺は財布を逆さまにした。 「どーぞ。欲しいならあげますよ?」 地面に小銭がぶつかる音だけが、俺たちの間に響く。 俺は歓喜していた。 この山田太郎竜源氏土岐藤という脆弱な器に生まれ変わり、アポカリプスでのような戦う相手も消えたこの世界。 竜ヶ崎 ハートビートフェンリルは、いつだって戦っていた。 手にした剣と魔法を使い、災厄の名を冠したドラゴンにもたった一人で立ち向かい、勇者ですら倒せなかった魔王をも打ち滅ぼした。 そんな俺がこんなところで、ほのぼの暮らしていけるわけがないんだ! 「てめえ!こんなことして覚悟はできてんだろうな!?ああ!?」 「「ぶっころす!!」」 「あはははははははは!!!」 時よ止まれ 君は誰よりも美しいから 永遠の君に願う 俺を高みへと導いてくれ 流出 新世界へ 語れ超越の物語 歌うように唱えるその言葉は俺に呼応する。 全身にたぎるものは 目の前のクズ二人をぶちのめす! ただその為だけに今はある。 「調子くれてんじゃねえ!!」
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