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俺は不敵な笑みでこたえる。
「いいですよ」
ポケットから財布を取り出し、小銭入れをあける。
「おいおい小銭なんか俺たちはいらねえんだ…よ?」
プリン頭が言い切る前に、俺は財布を逆さまにした。
「どーぞ。欲しいならあげますよ?」
地面に小銭がぶつかる音だけが、俺たちの間に響く。
俺は歓喜していた。
この山田太郎竜源氏土岐藤という脆弱な器に生まれ変わり、アポカリプスでのような戦う相手も消えたこの世界。
竜ヶ崎 ハートビートフェンリルは、いつだって戦っていた。
手にした剣と魔法を使い、災厄の名を冠したドラゴンにもたった一人で立ち向かい、勇者ですら倒せなかった魔王をも打ち滅ぼした。
そんな俺がこんなところで、ほのぼの暮らしていけるわけがないんだ!
「てめえ!こんなことして覚悟はできてんだろうな!?ああ!?」
「「ぶっころす!!」」
「あはははははははは!!!」
時よ止まれ
君は誰よりも美しいから
永遠の君に願う
俺を高みへと導いてくれ
流出
新世界へ
語れ超越の物語
歌うように唱えるその言葉は俺に呼応する。
全身にたぎるものは
目の前のクズ二人をぶちのめす!
ただその為だけに今はある。
「調子くれてんじゃねえ!!」
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