少女魔王

2/6
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
 青と紫の城はあたしの手駒だ。白と黒の城は敗北した。この先どんな戦況になるんだろう。  拮抗する力。  相対する人と魔神  しかし多勢に無勢。  あたしたちは敗北を余儀なくされる。  白き夢は言った。 「だからあなたは未熟なのです。末ながら私はおいとまさせて頂きます」  あたしを慕った魔神は3人。  その配下を使ってなにを成し遂げられるだろう? 「失礼ながら直言します。北西の塔も陥落しました。あなたの負けは確実です」 「かもしれない。けど……」 「優柔不断は嫌いだな。俺も降りるぜ」 「そう……」    雷豹も去った。 「心配するな。最期まで俺は付いていてやる」 「なんで?」 「なんでもいいからさ、ほら、行け」  悪魔の赤だけ居残った。  あたしの手札は赤い。  この手は流血で満ちている。 「どうしてこんな風になったんだろ……」 「お前の能力不足だな。貸しな。俺が操作する」  悪魔の赤はあたしの業術に自分の属性を足した。 「ほら、見ろよ。人が焼けるぜ?お前の望み通りだな?」 「うん……いや、、なんか、、、ちがう、、、」 「ほら、お前の勝ちだ」  ニンゲンはどんどん死ぬのに、あたしたちは生きている。どうしたらいいのかあたしには解らない。 「ほらよ、どうした?何を想ったか知らねえが、お前の術中だぜ?」
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!