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あたしが描いた世界とはこんな無惨だったのか。
「ほら、俺とお前の独壇場だ。あとはこの女を殺すだけだ」
「やめて!!」
あたしは思わず立ちふさがった。
「ニンゲンの残り香か?いただけねえな。お前の血液は魔神そのものだという呪いを受けてるのに。出来損ないが嫌なら俺を倒しな」
「くそっ!なぜだ!あたしは少女魔王、この魔神を統べる者!!」
「そうだ、ほら、ナイフ」
差し出されたナイフにあたしは眼をつけた。
ナイフが爆ぜる。
「お前の助けなどいらない!出てって!あたし一人がやるわ!」
「あーら残念、死んじゃった」
「いやあああああああぁぁっ!」
あたしはニンゲンとの混血ゆえの甘さを見せた。だから悪魔の赤に主導権を握られたのだ。
「おや?勇者様のお出ましだぜ?ほら、闘って来いよ?」
「うるさいっ!黙れ!」
「テレポートを用意してやった。行け」
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