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「夜中にあんな声  聞こえちゃったら、ねぇ…」 そう、あの日。結局トモナは、 ナオキの部屋には行かなかったんだ。 ヤヨイが戻った頃には、 すっかり眠ってしまっていた、 というのも、あるんだけど…。 その夜中、ふと目が覚めると、 隣の部屋から聞こえてきたのは、 こともあろうに女性が喘ぐ声、だったんだ。 横のベッドを見ると、 ヤヨイは寝息を立てて眠っている。 そこでちょっと、ほっと胸を撫で下ろす。 それにしても、 西欧風の建物というのは、 寒い地域なのに壁が薄いのか(偏見)。 …。 「まぁ浅く広く、  誰にでもこういうこと、  する人なんだろうなー」 メモ紙をペチペチとデコピンする。 まぁ、別に関係ないんだけどね。 あたしには仕事があるし、ヤヨイがいるし。
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