0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
プロローグ
「ちょっと由美ぃー!」
「はやくー!こっちめっちゃ綺麗だよー!」
ワイワイと向こうの方から声が聞こえる。それは高校での友人…だと思われる者達。
「後で行くー!」
そう言って適当に誤魔化し、私は海を眺める。
「(綺麗)」
潮風に当たりながら同じことを何度も思い、心の中で繰り返す。
私は大嫌いな高校を卒業した。
なぜ大嫌いなのかというと、本当の友人といえる友人がいないからだ。
仮にAとBがいたとしよう。
AがBの悪口を陰で言っていて、BもAの悪口を陰で言っているのにも関わらず、AとBは仲が良い。
私の周りはこんなことばかりだった。私はいつも愚痴を聞くだったが、飽き飽きしていたのだ。
だから大嫌い。
だがそんな大嫌いな友人との関係も今日明日で終わるんだ。
そう、今は高校卒業記念に旅行にきたいるのだ。
面倒なことから開放されるからか、とても清々しい気分だ。
だがそんな清々しい気分は一気に絶望に変わった。
→
最初のコメントを投稿しよう!