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「リリル様~朝ですよ~おはようございます~」
あ、どうもこんにちはーウルだよー
今日は珍しく何も割らず、時間通りにリリル様を起こしているんだ。
今日はリリル様の高等部入学式だから頑張って起きたんだ。
まぁ…いつも頑張って起きなきゃいけないんだけどね…
「ふわぁぁ……おはようウル……え?」
え?
「何ですか?そのとても驚いた『え?』は?」
「え?…い、いや、何時もウルって私を起こすのに何か割るじゃない?」
「別に起こすために割っている訳じゃないです…」
「今日はその物音がしなかったから…あはは…びっくりしちゃったわ……ちっ朝の萌えが…ボソッ」
…………何か酷いや
「もう!僕だってたまには割らずに起こせます!!」
「そんなぷんぷんしながら怒っても可愛いだけよ?」
「か、可愛い?」
ひやり
背後から冷気が漂ってきた。
こ、この冷気は……
「ウル…」
「はひぃ!!」
名前を呼ばれた瞬間反射的に背筋がピンっと伸ばして『きょうつけ』の姿勢をとった。
「リリル様に何て口きいてるんですか?」
「あ、あ、めめメイド長さん…」
ギギギ、と効果音が付きそうな感じで首を後ろに向ければそこにいたのは、冷気を垂れ流しにして赤いオーラを纏っているメイド長さんだった。
うぅ…赤いオーラなのに何で冷気放ってんの?
恐いよ~寒いよ~メイド長さん恐いよ~冷気寒いよ~
「全然直りませんね…もう一度勉強し直しましょうか…?」
「い、いいいえ結構ですぅ」
もうあんなスパルタは嫌だよ!!
何故か勉強中の記憶がないんだ…唯、スパルタだったのは覚えてる。
「ま、まぁメイド長落ち着いて」
キッ!
「リリル様はウルに甘過ぎます!!」
ああ…リリル様が…
「め、メイド長さん!!リリル様は悪くありません!!」
「貴方は黙ってなさい」
「はいぃ」
うぅ…情けないよ…僕…
(ウル、ガンバ♪)
うぅ…ティア………よし、頑張る!!
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