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貴方と生きたいと思ってる私って、愚かなのかな。
それでも。
“愛してる”を言いたい。
宵風の耳に、大きなタコが出来るくらいに。何度も。何度も。
“愛してる”を言いたい。
貴方に、この気持ちを届けたい。
さらりと、風が溶けた。
…………愛しい人をさらって。
「……愛してる」
知らず、零れた一言。
やっと言えたね。
そう、愛してるんだ。
──痛い涙を呑み下す。
知ってた? 貴方のこと、愛してるんだよ。
震える唇で、宵風の欠片に、そっと口付けた。
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