ハロウィーナ・ハロロンカ

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そんな見るからに楽しそうな背中を追いかけてきた小さな影。 「ティナおねぇちゃん……おはよぉ」 舌足らずな言葉で朝の挨拶をしたのはティナの妹のウル。まだ眠そうに片目をこすり、反対の手には母親手作りのジャック・オー・ランタンのぬいぐるみが引きずられている。 「おはよう、ウル。前から言っていたけど、今日はハロウィーナ・ハロロンカだよ!私は忙しくてお家にいられないから、お留守番お願いね?」 楽しそうな口調にその笑顔。しかしウルはきょとんと首をかしげた。 「はろ、うぃー……はろろ?」 「まだウルにはわからないかぁ。よし、ハロウィーナ・ハロロンカっていうのはね……」 ティナは寝巻きのキャミソールのワンピースからむき出た肩をさすりながら、今日という日をウルに話して聞かせた。
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