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かなりの距離を移動させられた。裏門も重厚な造りではあるが、表門ほどの高さはない。
「アイツ、敵対する族の総長でさ…今顔を合わせたら…。」
そう言いながら、ヒョイと門柱を昇る美少年の後に晴天も続いた。
(また上から降ってこられたら、堪らないからね。)
「ゲゲっ!」
狭い門柱の上で仰け反る美少年。
「今度は何?(別に俺まで引き摺られる必要は全く無いのに、とんだとばっちりだよ。)」
「なんで…こっちには副総長が…?」
「うーん、前門の狼後門の虎ってやつね…。俺には関係無いし…。」
「そんな…俺達親友だ………」
「ま、バレるのが嫌ならこれ使えよ!(親友フラグ折り!)」
中身は見なくても分かる。おそらくは王道の変装道具一式…と、父親のくれた紙袋を差し出した。
案の定なボサ髪と瓶底眼鏡を美少年が装置している間に、さっさと下に降りようとしたが…
「ちょ、待てよ!」
狭い門柱の上から飛び下りようとする状態で腕を掴まれ、バランスを崩す。
「「うわぁ!危ない、退いて~!!」」
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