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取り出した携帯が鳴り、顔を歪めて確認すれば…
『天ちゃ~ん♪変装したー?天ちゃんの事だからとっても愛らしいんだろうな…ね、写メ送って!今すぐ送って!パパからのお・ね・が・い♪』
あまりにも気持ち悪いので、王道転校生を写メって送った。
「背格好も同じだし、バレないだろう…送信っと。」
携帯を副会長と王道転校生に向けると、此方を向いていた副会長の眉間にシワがよる。
「ええと…『名前呼びと偽笑顔指摘は?気に入りましたの王道台詞は?…キスは拒否していいからね』だと?…知るか!この腐れ親父が…」
「…君…きみ…」
目の前に影が出来て、ハッとして下から目だけで見上げると…一瞬頬を朱に染めて、副会長は晴天の手首を握っている携帯ごと引っ張った。
「君、手怪我してるけど…。」
ピロ♪ピロ♪と、間髪入れずに携帯が鳴る。
「?」
「あ、父から…心配症なもので…」
眉間にシワを寄せたままの副会長の手を軽くほどいて携帯を見る。王道転校生がなんか騒いでいるがガン無視。
『天ちゃん!車降りて割れたサイドミラー見たら血が着いてたんど大丈夫!?』
「メールでいいのに…。あ、血?」
耳からかなり離しているのに、携帯からの父親の叫ぶ声が だだ漏れ。
「大丈夫?お父さん、今から戻ろうか?」
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