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「来るな!来たら学校辞めて、引きこもって、一生口きかないからな!!」
電話口が煩い…副会長の後ろも煩い…。
この状況で、名前教えろとか…(ギロ)マジ笑えるんだけど………と、王道転校生を睨めば……黙った。
不意に手の中が軽くなる。
「もしもし…お父様ですか?私、櫻銅学園副会長の氷堂と申します。息子さんは、保健室の方で手当て致しますのでご心配なさらずに…。
…え?姫抱っこで?…」
何で他人の電話取り上げて喋ってんの、この眼鏡副会長…。んでもって、初対面の人間に何をほざいて姫抱っこだ!この腐れ親父と、携帯ごと副会長を睨めば…副会長と目が合ってしまった。
…副会長…その笑顔はほ、本物なのか?偽物なのか?わかんねー!と思いつつも、つられて晴天も口角をあげた。こちらは、明らかにひきつり笑顔だが…。
笑顔をかち合わせて、ふたり同時に左斜め下に視線を反らす。
「お任せ下さい、お父様…息子さんは責任を持って、私が姫抱きで保健室までお届けします!」
・・・
副会長、言いきったぁあああ!!?
「証拠の写メ?…ハイ!」
無表情に頷いて、副会長は晴天の脇のしたと膝の少し上の太ももの辺りにスッと手を差し込んで抱き上げた。
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