2.本日はお日柄も宜しく

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 木々の間から違和感満載で覗く高い門柱を目指して歩いた。 門柱には緑色の錆の入った銅板が掛かっている。 『櫻銅学園』 の文字に、晴天は拳を握り眉をよせた。 「ん?おま…君も編入生か…ですか?」 馬鹿高い校門よりも更に違和感ありありの言葉遣いで、見知らぬ金髪碧眼の美少年が晴天に話し掛けて来た。 「おま…君、名前…」 「俺、待たされるの嫌いなんだけど…。」 「へ?」 美少年は名前を聞きそびれたようだ。 「待たされるの嫌いなんだけど!!」 「あ、お、僕が登って中から開けてやるよ!…で、お、なま…」 「ありがとう♪」 名前を訊ねられるより前に、にっこり微笑んで小首を傾げると…美少年は真っ赤になった。 「お、おう、待ってろよ!すぐ、開けてやるからな!」
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