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「七瀬彩音です、よろしくね」
彩音は微笑んで挨拶をする。
「俺は笹岡哲也だ」
そう言って哲也は愛車をNSXの隣に並べた。
今日の相手は白のBNR32、哲也曰く日産の名機RB26DETTにT88タービンを組み合わせて650馬力を搾り出すらしい。
NSXも3.5リッター化とボルトオンターボやその他諸々のチューンで500馬力は出ているのだがパワー差は大きい。
どう攻略しようか考えながら彩音も愛車に乗り込みR32と一緒に宮島SAから走り出した。
NSXの先導でSAを出発し100キロキープでハザードを5回点滅させたらスタート。
いつも通りのルールで2台は加速体制に入った。
加速力の高さを見せつけるかのように、スタートした直後に哲也はR32をNSXの真隣に並べる。
そしてNSXの加速に合わせるかのようにアクセルをじわじわと踏んでゆく。
2台並走のままバトルは幕を開けた。
彩音はNSXがパワーで劣っていてもR32との200キロ近い重量の差で持久戦に持ち込めば勝算があると見込んで、タイヤを温存するため加速をいつもよりも少し鈍らせて無駄な空転を最小限に抑えることに成功した。
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