first tale 猫は来たりてお茶を飲む

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雷が自己主張激しくご挨拶している中、俺は自室で藍色の上着を羽織って紅茶を啜っていた。 「こんな日に砂糖が奪われるならもっと買っとけばよかったな。」 ったく山田め、急に来て砂糖くすねて帰るとか何がしたいんだあいつは…… 「おやおや現ちゃん、又お砂糖盗られたのかい?」 どうもたった今名前を呼ばれました、山田に砂糖を奪われた現ちゃんこと秋赤音 現奈(あきあかね げんだい)だ。 「そうなんだよトメさん。山田の奴また勝手に…」 「山田じゃなくて一ノ瀬君ね、なんで毎回あのこの名前だけ間違えるんだい?この前は串田って言ってたわよ。」 げっ…あいつ一ノ瀬なんて名前だったんだ…あいつなんかひっくるめて『変態』でいいのに。
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