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この辺りはオフィス街。
タワー型の大きなマンションがいくつか
点在してるけど、子供を育てる環境じゃない。
遊び友達がいないなんて、幼稚園児には
きっと寂しいことだろう。
「時々で良いならさ、お姉さんが遊んであげるよ」
「ほんと?」
真一君が目を見開く。
「うん、ただね、お仕事があるから、いつ来られるか
わからないんだよね」
「それでもいいよ、僕夕方はいつもここで遊んでるから
来られる時に来て!」
「それでいいの?いつ来るかわかんないんだよ?」
「いいよ、来なくても遊んでるんだから」
たった四歳だというのに、なんてしっかりした
子供なんだろう。
小さい頃から一人遊びに慣れてるのかな?
自宅マンションの前とはいえ、誰も付き添わないで
一人で遊ばせるなんて、危険じゃないの?
「わかった、でも約束して。
絶対にわたしを待ったりしないでね。
お家の人と約束した時間になったら、帰ること。
期待させる事、言った後で悪いんだけど」
「わかってる、慣れてるから。
運が良かったら、遊んでよ」
なんて健気な子。
こんな小さな子に、こんな事を言わせるなんて
どんな親なんだろう。
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