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「それは俺が聞いてるんだけど」
わたしをソファまで連れて行って、一緒に
腰を下ろす。
後ろから抱きかかえるように腕をまわして
顔を覗き込む。
「だって…避妊、してますよね?」
そういう事は、彼に任せっぱなしで
わたしは関知していなかった。
自分の無頓着さに、ショックを受ける。
わたしって、危機感無さ過ぎじゃない。
「基本してるけど」
その言葉にほっと息を吐く。
「風呂ではしてない」
「あっ!」
心当たりが有り過ぎて、声も出ないわたしを
抱えなおして向かい合わせに座らせる。
「そんな顔するな。そうなれば、俺は嬉しい。
見合い騒ぎの時、できたたかもと思ったんだよ。
あれ以来、子供できればいいなって思ってた」
表情はいつも通りだけど、優しい瞳で語りかけてくる。
「覚えておけよ。
この世で俺の子供産むのは、多恵だけだぞ。
おまえとの子供だから、欲しいと思うし
産まれれば大切に育てたい」
そんなに前からそんな事考えてたの?
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