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「先に車に乗ってなさい。
ママは多恵さんに、お話があるから」
「はーい。多恵ちゃんまた遊ぼうね、バイバイ」
「あ、バイバイ」
真一君が手を振って駆け寄った車の横には
S商店の和真副社長が。
やっぱり見間違いじゃ無かった。
この二人は何かの繋がりがあるんだ。
和真さんは、真一君を車に乗せると
自分もその横に乗り込んでドアを閉めた。
そちらに気を取られている間に、すぐ近くまで
清水さんが近づいて来ていた。
「そろそろお遊びも、お終いにしましょうね。
あなたが真一の事知ってるならちょうど良いわ」
一歩また一歩と近づきながら、話し続ける。
「言ったでしょ、わたしは切り札があるって」
聞いちゃダメ、この人の話に耳を傾けたりしちゃ
「秀一を取り戻すための切り札はあの子」
ダメ、その先を
「真一は、あの子は秀一の子供なの」
言わないで……
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