守ってあげたくて

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「でも…これからも時々は飲みに行きましょうね。 同じ会社の仲間として」 瞼に溜まった涙をすっとなぞりながら言う槙田に俺は笑って頷いた。 「ああ、喜んで」 「ありがとうございます。じゃあ…乾杯」 カシスオレンジのグラスを手に持ち、俺に向けた槙田と小さく乾杯する。 と、やけに視線を感じてチラっとカウンターに目を向ければ、呆れたような顔で俺を見ている柏木の姿。 …立ちはだかる大きな壁を破壊するには時間がかかりそうだ…。 そう思いながら俺はソルティードッグに口をつけた。
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