守ってあげたくて

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と、その時デザイン部のドアが開く。 「おはようございます。 藤森部長、本日よりよろしくお願い致します」 丁寧に頭を下げて入って来た太田。 見た目もだけど、着ているスーツもなかなかいいものを選んでいるようだ。 けれど俺は倉田を守らなくてはならないだけに、軽く牽制。 「ああ、おはよう。 早速他のスタッフと顔合わせなんですが…。 太田さんはうちの倉田と知り合いだそうで」 俺の言葉に、太田は微かに口角を上げて笑う。 「ええ、まぁ… 前の会社の時の下請けの担当が倉田さんだったものですから」 「そう。 まぁ太田さんの実力は分かっているけど、ここでは倉田の方が上司になるんで…色々とやりにくい部分もあるだろうけど、頼みますね」 俺の意図を分かってんだか、分かってないんだか、太田はフフっと不敵に笑っている。 …なんかコイツ、気に入らねーな。
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