守ってあげたくて

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「ご心配なく。 藤森部長に迷惑はおかけしないから大丈夫ですよ」 どこか余裕の表情で言った太田に、俺も冷静に目を向ける。 「では、ミーティングルームにもう全員集まってるので行きましょう」 太田を連れてミーティングルームに向かいながら思う。 おそらく太田は、倉田がこの会社にいる事を分かっていながら、引き抜きの話を受けたに違いない。 BLUE STYLEでもそれなりの役職にいたであろうこの男が、うちの会社のサポートデザイナーなんて役職で納得するのは、普通に考えてもおかしい事だ。 自分の中で広がって行く疑問と不安を感じながら、倉田が待つミーティングルームのドアを開けた。
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