守ってあげたくて

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太田と共にミーティングルームへ入って行くと、柏木の鋭い視線が… 俺ではなく、太田へと向けられている。 柏木の姿に気づいた太田は、一瞬驚いたような顔をしたけれど、すぐにニヤリと不敵な笑みを浮かべた。 …当然柏木は、倉田と太田の間に起きた事は知ってるってワケか。 そう思いつつ、太田が倉田と反対側の席に腰かけたのを確認して俺は会議を始めた。 「じゃ、早速だけど自己紹介からって事で。 俺は二人ともすでに挨拶が済んでるから、倉田から順番に挨拶してくれ」 そう言って倉田に視線を送ると、動揺する自分に気合を入れるかのようにギュッと目をつぶって、深呼吸してる。 …大丈夫か?倉田。 そんな俺の心配をよそに、彼女は大きく息を吐いてから覚悟を決めたように立ち上がった。
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