守ってあげたくて

9/40
前へ
/40ページ
次へ
「梓、邪魔しちゃ悪いから行こう」 倉田の言葉で柏木は「そうね」と微笑んでカウンターへと移動して行った。 …やっぱり槙田とここへ来たのは失敗だった…。 柏木の背中からはドス黒いオーラが立ち登ってるし…。 「ここのお店…倉田さんも知ってたんですね…」 ポツリと呟く槙田の寂しそうな顔。 もうこれ以上、引っ張っても仕方ない。 こればかりはどうにもならない事だと諦め俺は覚悟を決めた。 「あのさ、槙田… こないだの返事なんだけど…」 「はい」 じっと俺を見つめる槙田の視線に、俺も真剣な目で見つめ返した。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

596人が本棚に入れています
本棚に追加