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「ちーっす。気分はどう?」
スキンヘッドのおっさんの声で俺は目が覚めた。
「花丸心太君だよね?えーと、20歳フリーター、血液型はO型。合ってる?」
「え?あぁ、あの、あんた誰?」
なんだこのおっさん、俺のプロフィールバレてる。
フリーターの何が悪いってんだ。
「あー、ごめんごめん、俺ね、宇宙人。バレンコ星人て言うの。で、ここね、俺のUFOの中。」
「は?」
おっさんの突拍子のない言葉に周りを見渡してみる。
畳。
ヤカンの乗ったストーブ。
ミカンの乗ったちゃぶ台。
チカンモノが映ったテレビ。
そして、俺の寝ているせんべい布団。
「嘘だ!どう見ても一人暮らしのおっさんの部屋だろコレ!」
「嘘じゃないよ~ホラこれ見てよ」
おっさんがちゃぶ台の上のミカンに触ると、さっきまでとは一転、部屋の中にコンピューターがずらりと並ぶ、ハイテクっぽい部屋に変化した。
「おぉ!?なんだこりゃ!?」
驚いているとおっさんが言葉を続けた。
「ね、信じてくれたでしょ?ところで、まだ身体がうまく動かないと思うからそのまま話聞いてくれるかな?」
おっさんの言葉にまだ半信半疑な俺は、右腕を動かそうとするが、全く力が入らない。
「俺の身体に…!何を…!」
おっさんを力一杯睨むが、おっさんはまるで動じない。
「ちょっとあんまり睨むなよ~、せっかく夢を叶えてあげたのにさぁー」
「夢?」
おっさんは腹巻きの中からテレビのリモコンを取り出した。
「君、スーパーヒーローになりたかったんでしょ?ハタチにもなって。」
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