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「レーお姉ちゃん……。幸せそう……」
「鼻血をだしながら安らかな顔で寝てるわね」
ガングレトはまさに、我が人生に一片の悔いもない感じに萌えつきてます。
なんていうか、色々と残念な子ね。
でもこのままじゃ邪魔だし、帰ろうかしら。
「リズ、チケットはありがたく頂くわ。ありがとう。リサさん、私はガングレトを連れて家に帰ります」
「どう……いたしまして……」
「あら、残念ね。ラプ一人で大丈夫?」
「勿論、援軍を呼びます。来なさい!!ヘルメス!!」
私が叫ぶと、どこからともなく彼が現れた。
彼の名はヘルメス。ガングレトも知らない、彼女のファンなの。
ヘルメスは普段は真面目なんだけど、ガングレトが絡むと別人になるのよね。
「お呼びですか?ラプの姉御」
「ガングレトが鼻血を出して気を失ったから、家に届けてくれないかしら?」
「御意!!」
そう言うとヘルメスは私とガングレトを片手に、リサさんとリズの方に視線を移します。
「ではリサ姉さん、リズちょん、サラバだ!!」
「ええ、またね」
「バイ……バイ……」
こうして私達はヘルメスに担がれ、家に帰りました。道中で奇異の目で見られたのは、言うまでもない。
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