全ての、はじまり

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「お前のだろ…これ」 「いやいや何を言ってるんだい。僕がそんな評価されるような作文を書けるわけないだろう?」 「いやいや、一回見たから!これ、お前が中学の時に手遊びとか言って書いたやつそのまんまだろうが!」 まさか緋空が覚えてるとは思ってなかった 間違えたな。早々に逃げるべきだったか 「君が、この作文を書いたのか」 彼女は確かめるように言ったそして 「名前を書いて」 「書かないし、出す気もないよ」 僕は彼女の言葉を遮って言う 「目立つことはしたくないからね。それを出したのもほんの気の迷いだよ。だから僕はそれ以上をするつもりはない」 そう。僕は目立ちたくない それこそ写真に写らないドブネズミ至高主義だ 「そうか、残念だ」 さして残念そうでもなく彼女は言った 「分かった。ともかく、これで人探しは終わった。手間をとらせてすまなかった」 それだけ言って彼女は空き部屋を、出た
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